毒母エピソード4 婚約破棄
私は一度、婚約破棄を経験している。
婚約をして、指輪を買ってもらい、式場も決めて、親への挨拶はいつしようかと話していた所だった。
今思えば順序がめちゃくちゃだ。
彼から私は兄弟は兄が1人だけいると聞かされていたが、結婚が決まってから急に兄がもう1人いる事を打ち明けられた。
1番上の兄とはウマが合わず、関わりがないため、いないことにしてしまったと。
私はその事が、ずっと嘘をつかれていた事が、すごくショックだった。
結婚が決まる前に教えて欲しかった。
その事で喧嘩してしまって、そのまま別れる事になってしまった。
元彼を忘れたくて、母からのプレッシャーもあって、母から離れたいのもあって、本当にその彼のことを好きだったわけでは無かったのだと思う。
だから、振られてしまって当然だったとは思う。
でもきつかった。
母は私に結婚して欲しくて仕方がなかった。
まだ当時25歳だったが、周りの友達が皆んな結婚が早くてすでに8回結婚式に出ていたほどだった。
母は事あるごとに、
誰々ちゃんも結婚したのよー!あんたはどうすんの?
そうやってプレッシャーをかけてきていたから、結婚する事を伝えた時はすごく喜んでいた。
婚約して、舞い上がって周りの人にも言ってしまって、結局破棄になり、情けなくて、悲しくて、ボロボロで、私は母につい、すがりたくなってしまった。
すがったところで、何も癒してくれない人だと知っていたはずだったのに。
お母さん、私ね、婚約ダメになっちゃった。
どうせあんたが悪いんでしょ。
何で何も話してないのに私が悪いって言うの?
母親だからわかるのよ。あんたが悪い。
私は心が砕けてしまいそうになって、部屋に逃げた。
この人に何を言っても無駄だった。
母は私の幸せを望んでいたわけではない。
娘が結婚を迎える母親になりたかっただけ。