第一子帝王切開 PART5
産後二日目の朝を迎えた。
足のマッサージャーが外される。
朝食が出た。
重湯、ジュース、スープ。
流動食なので、全て水分だったが、とにかく飲み物が飲める事が嬉しかった。
美味しい。
一気に飲み干す。
飲み物が飲みたい時に飲める事は幸せな事だったのだと、日常に感謝する。
助産師さんから歩いてみるように言われ、恐る恐る起き上がろうとするが、痛みへの恐怖でなかなか思うようにできない。
傷が裂けてしまうのではないかと不安で仕方がなかった。ベッドのスイッチを使って最大限身体を起こしてから、点滴の棒を支えにして少しずつ歩く。
確か、導尿カテーテルを取ってもらいに、トイレまで行ったのだったろうか。
記憶は曖昧。
身体を曲げて、ほんの少しずつしか歩けなかった事は覚えている。
導尿を抜く時はズルズルズルという感覚。
痛みはそんなに無かったが、これもまた恐怖でしかなかった。
背中の麻酔は手術時は2種類していて、産後も一つは繋がったままになっている。
傷の痛みや後陣痛のある時に首から下げられている麻酔のスイッチをカチッと入れると、冷たい感覚が背骨を流れて、痛みがマシになる。
私が第一子を出産した2014年より、二年ほど前にこの麻酔ができたらしいので、ありがたかった。
3時間おきに、助産師さんが赤ちゃんを連れてきてくれたのだが、あんなに子ども好きで、子どもの仕事につき、赤ちゃんを夢見ていた私が、赤ちゃんを可愛いと思えなかったのである。
初めての授乳については、また別の記事にしたいと思う。
母子別室だったし、産んだ実感のようなものも感じられず、
どこか、他人事で、心の中はまだ帝王切開への後悔や悲しみでいっぱいで、今思えば多分、心の余裕が無かったのだと思う。
とても幸せな事のはずなのに、それを感じ切れない。
そんな自分にどんどん自信も無くなって、入院中もよく泣いていた。
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