ステップファミリー1 遊んでくれるおじさん
私は物心がついた時から、母の実家で育てられた。ひいおばあちゃん、おじいちゃん、おばあちゃん、おじちゃん、お母さんと暮らした。
幼稚園くらいの時から自分にはお父さんがいないということは気がついていたが、それを寂しいと思った事は無かった。
父親参観にはおじいちゃんが来てくれたし、おでかけにも連れて行ってくれたし、お風呂もおじいちゃんかおじちゃんが入れてくれていた。
お母さんは仕事をしていたけど、おばあちゃんが幼稚園のお迎えに来てくれて、家事をしてくれていた。
私が小学校に上がった頃、お母さんとのお出かけに、おじさんが付いてくるようになった。
そのおじさんのことをお母さんは下の名前で呼び捨てにしていたので、私もいつしかそう呼ぶようになった。
面白くて、遊んでくれるそのおじさんは、私にとって友達のようなものだったと思う。
そのおじさんが、自分の父親になることなんて、1ミリも想像していなかった。